私は驚きましたが、母の提案を受け入れました。そうすると、びっくりするほど気が楽なのです。移動は別、ホテルの部屋は別、観光先は行きたい場所が重なるようなら一緒に行くけれど、それ以外は別。ホテルでの夕食は、一緒に過ごしました。
この適度な距離感が担保された旅行は、私にとって本当に心地よいものでした。母は私の性格を知っていて、あえてこのスタイルを提案してくれたのでしょう。そのさりげない心遣いも、心からうれしく感じました。
「嫁だから我慢」は卒業
義両親との旅行が苦痛だったのは、気疲れそのもの以上に、プライバシーが皆無だったからだと分かりました。「なんでもかんでも一緒」をやめ、現地集合や別部屋という境界線を作れば、私にも休まる時間ができるはず。
そこで私は、次回の義実家旅行の計画時に「今回は現地集合、部屋も別々で」と条件を提示しました。義両親は最初は「寂しいわねぇ。どうして?」と不満げでしたが、「お互いの生活リズムに気を遣うより、この方が落ち着くんです。どうかお願いします」と正直に伝えたのです。
結果、適度な距離感が保たれたことで、私は自分のペースを守りながら、義両親にも優しく接することができるようになりました。「嫁だから我慢して付き合わなきゃ」という思い込みを捨て、自分にとって快適な距離感を勝ち取ったことで、義実家旅行の憂鬱からようやく解放されたのでした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年4月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。