ついには限界を迎えた彼女は、ある思い切った行動に出たのでした。
在宅勤務中、夫の物音がストレス
夫婦そろっての在宅勤務生活は、私に大きなストレスをもたらしました。
たとえば、こちらがリモート会議中だというのに、夫はかまわず大音量でゲームをすることがあります。
また「コーヒーない?」「今日のご飯どうする?」など、ことあるごとに話しかけてくるため、私はそのたびに集中力が切れてしまうのです。
「在宅とはいえ、今は仕事中なのよ」と伝えても、
「細かいなあ。家なんだから、ちょっとくらいいいでしょ」という夫に、嫌気がさしてしまいます。
さらに、仕事が終われば家事の負担はほぼ私。
「ご飯どうするって、たまには自分でつくればいいのに」
心の中で毒づくのですが、家事能力のない夫に何を言っても無駄でしょう。
「もう、耐えられない!」
そんなある日、取引先との会議中に夫の生活音が入り込み、相手に苦笑いをさせてしまったことがありました。
「今から会議だから、静かにしてねって言ったのに!」
夫への怒りがこみ上げ、私の中でなにかがプツリと切れました。
「もう耐えられない!」
今振り返ると、ずいぶん思い切った行動をしたと思います。
会議が終わると、私はすぐに早退し、不動産屋に駆け込みました。
そしてその日のうちにワンルームの部屋を契約し、夫にこう宣言したのです。
「自分の部屋を借りたから、明日からそこで仕事するわ」
快適すぎる、自分だけの城
やっと手に入れた自分だけの城は、驚くほど快適でした。
誰にも邪魔されず仕事ができる、静かな空間。
好きなタイミングで食事も休憩も取れるし、部屋も散らかりません。
何より、夫の生活音や無神経な発言にいちいちイライラしなくていい。
快適な仕事部屋でストレスなく過ごし、仕事が終わったら帰宅。
そんなふうに日々を送る中で、私はふと思ってしまいました。
「あれ? 家に帰る必要って……ある? 私、ずっとここにいたい」
そのうち、私は仕事を理由に、新しい部屋に泊まることが多くなりました。
そんなとき、夫からは「洗濯機ってどう使うんだっけ?」「アイロンのかけ方教えて」などと連絡が来るのですが、それがますます鬱陶しいのです。
「このまま離婚してもいいかもしれない」とまで思う自分がいました。