「結婚したい人がいる」と息子が連れてきた婚約者は、明るく愛想のいい女性。
しかし、ブランド品を次々購入するなどの浪費家な一面を見て、A子さんは徐々に不安を抱くようになります──。
「口出ししないでください」
ある日、私は思い切って息子に言いました。
「結婚って勢いだけじゃダメよ。彼女ってちょっと浪費家なんじゃないかしら。ちゃんと将来のお金のこと、考えてる?」
息子は、露骨に嫌そうな顔をします。
「母さんは、結局あいつのことが気に入らないだけだろ」
その言葉に、胸がズキリと痛みました。
そういうわけじゃない──ただ、あなた達のことが心配なだけなのに。
別の日も、B子と二人で話すタイミングがあったので、私はできるだけ柔らかく伝えました。
「若いうちから、しっかりと貯金していかないとね」
すると彼女は、真顔でこう返してきたのです。
「私たちのことなんで、お義母さんは口出ししないでもらえます?」
私はもう、どう言っていいのかわからなくなってしまいました。
母の想い
それ以来、息子からの連絡は激減し、実家にもほとんど寄りつかなくなりました。
きっとB子が、私に対する愚痴を言ったのでしょう。
以前は、ちょっとしたことでも電話をくれたり、なにかと気にかけてくれていた優しい息子だったのに、まるで人が変わってしまったようです。
「二人の生活に、余計な口を挟まなければよかったのかしら……」
そう後悔し、ため息をつく日もあります。
でもやはり、息子に大変な結婚生活を送らせたくはなかったのです。
とはいえ、結局、結婚は本人同士のすること。
親がとやかく言っても、仕方のないことなのかもしれません。
しかし、もしも将来、本当に困ることがあったときには実家を頼って帰ってきてほしい。
「安心して帰れる場所」だけは残しておいてあげたい──。
そんなふうに思います。
今は息子たちと少し距離を置きながら、静かに見守っていくしかありません。
【体験者:50代女性・専業主婦、回答時期:2026年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:大城サラ
イベント・集客・運営コンサル、ライター事業のフリーランスとして活動後、事業会社を設立。現在も会社経営者兼ライターとして活動中。事業を起こし、経営に取り組む経験から女性リーダーの悩みに寄り添ったり、恋愛や結婚に悩める多くの女性の相談に乗ってきたため、読者が前向きになれるような記事を届けることがモットー。