激怒する三男、身内で起きた離婚騒動
この暴言に一番ショックを受け、激怒したのは他でもない三男本人でした。
「俺の親の墓や兄嫁に対して、なんて自己中心的な言い草だ!」と三男は嫁を激しく非難。夫婦間で「離婚する、しない」の大喧嘩にまで発展してしまったのです。
結局、三男の子供たち(父にとっての甥や姪)が間に入って必死に仲裁し、なんとか離婚は免れたようですが、三男夫婦の間には取り返しのつかない亀裂が入ってしまいました。もちろん、父や長男のお嫁さんと三男一家との関係にも、完全に亀裂が入ってしまったのです。
失われた故郷。現代の墓じまいが残した深いしこり
結局、墓じまいの費用は三男一家には頼らず、父が多めに負担する形で長男のお嫁さんとともに無事に完遂しました。お墓が綺麗に片付いたことで、長男のお嫁さんは肩の荷が下りたとホッとしていましたが、代償はあまりにも大きなものでした。
後日、父は私にポツリとこうこぼしました。
「お墓がなくなったことよりも、兄弟で揉めて帰りにくくなってしまったことの方がきついな。俺にはもう、帰る田舎がなくなったようなもんだ……」
寂しそうに遠くを見つめる父の姿に、私も胸が締め付けられました。
「墓じまい」という現代の避けられない問題が、親族の化けの皮を剥がし、故郷との縁まで断ち切ってしまった……。お金のトラブル以上に心に深いしこりを残す、切なくも考えさせられるエピソードです。
【体験者:70代・男性・無職、回答時期:2026年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:藤野ゆうこ
2度の離婚を経て、シングルマザーとして介護職の管理者を務める現役会社員。現場で触れてきた数多くの家族の人生模様や、自身の波乱万丈な実体験をベースに、読者が同じ苦労をしないための教訓を込めたコラムを執筆。現在は介護現場や周囲への取材を通じ、嫁姑・夫婦関係・ママ友など、複雑な人間関係のトラブル解決に繋がる情報を発信中。