「子どもにつらい道を歩んでほしくない」「夢を見るのではなく現実を見て」――そう考えるのは親の愛でしょうか、それともエゴなのでしょうか。
今回は、筆者の友人一家に起こった“自分の夢”に関するエピソードを紹介します。

進学しないと言い出した弟

私が小さいころに両親が離婚したため、母は女手一つで私と弟を育ててくれました。

母はシングルマザーだからという理由で私たちが不自由しないよう必死に働き、学費もしっかりと貯めてくれました。そのおかげで私は行きたかった大学へ進学できたため、弟も当然のように大学へ行くものだと思っていたある日。

高校生になり、飲食店でアルバイトをしていた弟が「大学へは行かない」と言い出したのです。

自分の夢を叶えたい弟

聞くと、弟は「料理人になりたい」「将来は自分の店を持ちたい」と言います。

母は不安定な職だからと猛反対。大学へ行くように勧める母と、母には言い返しはしないものの静かに反対しながらアルバイトを続ける弟。

大学に通っていた私自身も、弟に対し「ママがせっかく費用も貯めてくれてるし、ひとまず行っておいて損はないと思うよ」と説得します。しかし「今はその時間が惜しい」「母さんには感謝してるけど、自分の人生だから」と言う弟。

そして、アルバイト先の店長にいろいろと教わりながら料理を続けた弟は、大学へは行かず、調理師免許を取得したのでした。