筆者のエピソードです。プールのレッスン前に転んで泣き出した娘。私から離れられずにいたその時、声をかけてきたのは、まだ幼いひとりの女の子でした。その口から出てきた“まるで大人のような言葉”に、思わず驚いてしまい──。

思わぬアクシデント

スイミングスクールのレッスン前、娘がふざけて走った拍子に転んでしまいました。幸い大きな怪我はありませんでしたが、驚きと痛みで泣き出したのです。

娘は小2ですが少し幼いところがあり、一度気持ちが崩れると、なかなか切り替えができません。
この日も例外ではなく、準備運動の時間になってもスンスンと泣き続け、私にしがみついたままでした。
「今日は、もう帰る~」と、まるで未就学児のようなセリフが出てきます。

対応に困惑する私

(このままでは、レッスンができないかも……)
そう思いながら、私は娘の背中をさすっていました。

「大丈夫だよ」「落ち着いて」
いくら声をかけてみても、娘の態度は変わりません。

どう伝えたら、安心してくれるのか。
どう促したら、気持ちが前を向くのか。

抱きついてくる娘を前に、言葉を探し続けていました。

“思いがけない言葉”

そのとき、ひとりの女の子がこちらに近づいてきました。見たところ、うちの娘よりも2つか3つは年下に見えます。おそらく、隣のクラスでレッスンを受けている子のようでした。

「どうしたの? いたい、しちゃったの?」
可愛らしい声で、そう話しかけました。

さらに、少し考えるようにして続けます。
「私ね、おうちで靴下履いてて滑っちゃったことあるよ。Nちゃんも靴下だったの?」

あまりにも自然な言葉に、思わず私が聞き入ってしまいました。