筆者の話です。私が住んでいる集合住宅の駐車場で、ふとした油断からお隣の車にドアをぶつけてしまいました。すぐに管理会社に連絡し、お相手の連絡先を教えてもらいます。震える手で電話を掛けるとスマートフォンの向こうから返ってきたのは、予想もしない言葉でした。

ところが、スマートフォンの向こうから返ってきたのは予想に反した穏やかな声だったのです。

「ぶつけてしまったことを正直に連絡してくださったことが嬉しかったです。大した事はないですし、お互い様ですよ。気を付けましょう」

──その一言に、張り詰めていた緊張がすっと緩みました。

せめてお詫びの菓子だけでも受け取っていただきたいとお願いしましたが、頑なに断られてしまいました。

あまりお願いを続けるとしつこいと思われそうなので、「修理が必要でしたらいつでもご遠慮なくご連絡ください」とお伝えして電話を終えました。

「慣れ」と「油断」は、いつも隣り合わせ

隣人の方からの優しい言葉は、私の胸に深く刻まれました。

「慣れ」と「油断」は静かに隣り合わせです。

助手席側のドア開閉はつい気が緩みがちになりますが、今後は十分にスペースを空けて駐車する事を誓いました。

その温かな言葉は日常の何気ない場面にこそ、常に気を抜かない様に心掛けなければならない事を、改めて気づかせてくれました。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2026年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢佑菜
管理栄養士の資格を持つ、2人の自閉症男子のママ。自身の育児環境の変化をきっかけに、ライター活動をスタート。食と健康を軸に、ライフスタイル全般のコラムを得意とし、実体験に基づいたリアルな記事を執筆中。専門的な情報を「わかりやすく、すぐに日常に取り入れられる形」で伝えることが信条。読者の「知りたい」に寄り添い、暮らしを整えるヒントを発信しつづけている。