今回は、親戚Aに聞いた、息子の子育てを見て考えさせられた話です。
「父親になれば自然に育児をするもの」そう思っていたのですが──。
孫の反応を見たAは、ある不安を感じたそうです。
「父親になれば自然に育児をするもの」そう思っていたのですが──。
孫の反応を見たAは、ある不安を感じたそうです。
送り出す
息子夫婦と孫が帰省してきた日のこと。
久しぶりに家族がそろい、家の中はにぎやかでした。
「今日は大人が多いから、ゆっくり買い物しておいで」
小さな子どもがいると、一人でゆっくり買い物へ行く時間もなかなか取れないだろう。
そう思ったAは、お嫁さんに声をかけたのです。
息子もいるし、自分たちもいる。
少しくらいなら大丈夫だろうと考えていました。
止まらぬ涙
ところが、お嫁さんの姿が見えなくなると、孫が突然「ママ! ママ!」と大泣きし始めました。
抱っこをしても、おもちゃを見せても泣き止みません。
息子が声をかけても、孫は顔を向けようとせず、涙を流しながら玄関のほうばかり見ています。
泣き声はどんどん大きくなり、息子が抱き上げても体を反らせるばかりでした。
その様子を見ながら、Aは息子の顔をちらりと見ます。
けれど息子は「そのうち落ち着くと思う」と言いながら、いつものことのようにスマホへ視線を落としていました。
早い帰宅
しばらくして、お嫁さんが予定より早く帰ってきました。
「泣いていたらいけないと思って」
そう言いながら、急いで戻ってきてくれたのです。
お嫁さんが抱き上げると、孫は安心したように泣き声を弱め、ぎゅっとしがみついていました。
その様子を見てAは、「この子、普段からママしか頼れないんじゃ……」と感じたのです。