これは友人A子から聞いた話です。“友達だから”を理由に頼み事を当然のように押し付けてくる女性に、A子は少しずつ疲弊していました。感謝よりも利用が先にある関係に違和感を覚え、距離を置いたことで、自分を大切にする人間関係の大事さに気づいていくお話です。

決定的だったのは引っ越しの日でした。
その友人は業者を頼まず、数人の友達へ声をかけていました。
A子も手伝いに行きましたが、想像以上の重労働。
家具運びにゴミ出し、荷解きまで延々と続きます。
全員クタクタになっていた頃、誰かが冗談っぽく言いました。
「これ普通に業者レベルだね(笑)」
すると友人は笑いながら返したのです。
「でも友達ならタダでしょ?」
空気が凍りました。
その瞬間、A子は全部繋がったそうです。

“友達だから”を都合よく使う人

この人にとって“友達”って、頼み事を断らない存在なんだ。
だから感謝より先に“使えるかどうか”になる。
今までもそうでした。
暇なら迎えに来て当然。
得意なら手伝って当然。
優しいなら引き受けて当然。
全部、“友達だから”で処理されていたのです。

距離を置いたら、驚くほど静かになった

その日以降、A子は少しずつ距離を置きました。
連絡が来てもすぐ返さない。
無理なお願いは断る。
「ごめん、無理」で終わらせる。
すると最初は、「最近付き合い悪くない? 変わったね」と言われました。
でもA子は気づいていました。
変わったのではなく、“都合よく使われる側”をやめただけだったのです。

しばらくして、その友人は別の人たちとも距離ができ始めました。
理由はほぼ同じ。
頼み事が多すぎる。
断ると不機嫌。
感謝が薄い。
結局、“友達”ではなく“便利な人”として扱われていたことに、みんな気づいていったのです。
A子は今でも思うそうです。
本当に大事な人って、助けてもらうことを当然みたいに扱わない。
「ありがとう」を雑にしない人なんだと。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。