筆者友人A子の話。
育児疲れが限界だったあの夜、息子を怒鳴りつけてしまいました。
しょんぼりと部屋に消えた5歳の背中を見て後悔したものの、素直に謝れないまま時間が経ちます。するとそろそろとリビングに戻ってきた息子が、一枚の絵を差し出してきました。そこに書かれていた言葉の意味に気づいたとき、私は崩れ落ちました。

怒鳴ってしまったあの夜

下の娘が2歳になったころから、育児疲れはじわじわと限界に近づいていました。
息子のR太は5歳。
「お兄ちゃんだから」という言葉をどれだけ使ったでしょう。
本当はまだまだ甘えたい年齢なのに、手が回らないことをいつも彼のせいにしていた気がします。

あの日も、夕食の準備で手が離せないときでした。
「やめなさい」と何度言っても娘にちょっかいを出し続けるR太に、とうとう声を荒げてしまいました。

「なんで言うこと聞けないの! 何回言ったらわかるの!」

娘は大泣き。R太はびくっと体を震わせ、黙って自分の部屋へ消えていきました。

重たい夕食の空気

夕食の間、R太はほとんど口を開きませんでした。
いつもはおしゃべりが止まらないのに、うつむいてご飯を食べる姿が胸に刺さります。
「さっきは怒りすぎたかな」と思いながらも、素直に謝れないまま食器を片付けました。

お風呂を済ませ、娘を寝かしつけてひと息ついたころ、R太がそろそろとリビングに入ってきました。

「ママ、これ」

差し出したのは、クレヨンで描いた一枚の紙でした。