“問題は自分じゃなかった”という事実
さすがに生活に支障が出るレベルになったため、私は管理会社へ相談しに行きました。
事情を説明すると担当者は驚いたようで、「実は」と言いにくそうに続けました。
「Bさん、以前から生活音に異常に敏感でクレームを繰り返すと何件も報告があって……」
まさかの“常連”だったのです。
さらに、以前住んでいた住人は、夜の洗濯機音、スマホの着信音、くしゃみの音まで注意されたらしく、何人も引っ越していったとのこと。
私は呆れながらも、同時に少しだけホッとしました。
「私の努力が足りないせいではなかった」とわかったからです。
静かに解決した、その後
管理会社からBさんに「一般的な生活音の範囲内である」という正式な注意が入り、それ以降クレームはピタッと止まりました。
数日後、買い物帰りにエントランスで偶然会うと、彼女はバツが悪そうに「迷惑……かけました」と小さく言いました。
その表情は、初めて見る弱さを含んでいて、私は少しだけ胸がチクッとしました。彼女もまた、何かに追い詰められていたのかもしれません。
その後、必要以上に関わることは避けていますが、あの一件以来彼女からの苦情は一度もありません。
人間関係の距離は近すぎても、遠すぎても問題が起きる。
私は今回のことでそのことを痛感しました。
そして今は、家族で笑える普通の日常が、とてもありがたいものに感じています。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。