何気ない愚痴が“報告”されていた現実
そんなある日、仕事で理不尽なことが重なり、私は上司への小さな愚痴をLINEでこぼしてしまいました。
しかし数日後、私は上司から個室に呼び出されることになります。
「こういうこと、言ってた?」
見せられたのは、スマホの画面。
そこには、私が彼女に送ったはずのLINEが、スクリーンショットとして残されていたのです。
どうやら彼女は上司を呼び出し、
「〇〇さんがこういうことを言っていて……」
と、心配するような口ぶりで伝えてきたのだそうです。
一瞬、頭が白くなりかけましたが、上司はとても冷静でした。私が震える声で当時の前後の文脈を説明すると、上司は小さく頷き、ため息まじりにこう言いました。
「前にもね、似たようなことがあって、彼女の『報告』の癖は把握していたんだ。だから君を責めるつもりはないよ。ただ、どんなに仲が良く見えても、オフィシャルな関係でのメッセージのやり取りには、少し慎重になった方が自分を守れるからね」
あの違和感の正体
彼女が一体どういう意図でその行動をとったのか、その真意は今でも分かりません。
私の相談に乗るふりをして言葉を引き出し、裏では上司に伝えていた。
あの距離の近さが最初から計算されたものだったのかもしれない、と思うと恐ろしくなりました。
それ以来、私は出会ってすぐに踏み込んでくる“近さ”には、慎重になりました。
苦い経験でしたが、自分を守るための、大切な教訓となっています。
【体験者:40代・筆者、回答時期:2026年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:森奈津子
海外生活や離婚、社会人での大学再入学など、多彩な経歴を持つライター。現在は幼稚園教諭として保護者の悩みに寄り添うほか、日々の人付き合いの中から生まれるリアルな本音に耳を傾け、多様な価値観に触れてきた独自の視点でそれらを記事にしている。