悔しさを知った瞬間
しばらくして、落ち着いたRに「さっきどう思ったの?」と聞くと「絶対勝てると思ってたのに、最後に負けたのがイヤだった」と涙目で話してくれました。それを聞いて、私は気づきました。一人っ子のRは、普段から自分が一番で育ってきたからこそ、この「負けること」を経験したことがなかったのだと。悔しさをどう受け止めていいのか、初めての感情だったのです。
そこで「悔しかったね。でも、負けることで次どうしたらいいか考えられるんだよ」と伝えると、Rは少し黙って考えたあと、「じゃあ次はもっと考えてやる!」と力強く言いました。あの泣き顔から一転して、前を向いた表情に変わったのが印象的でした。
成長したR
その後、「もう一回やろう!」と自分から言い出したR。次のゲームでは、負けても「悔しいけど楽しいね」と少し笑顔で言えるようになりました。あの大号泣があったからこそ、Rは一歩成長したと感じました。一人っ子として「負ける」経験が少なかったRにとって、悔しさを知ることが、成長への大切な一歩だったんだと思います。
子どもの成長には、無理に「勝ち」を求めることなく、あえて「負け」を経験させることが大事だと改めて感じた出来事でした。
【体験者:40代・筆者、回答時期:2026年4月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:北田怜子
経理事務・営業事務・百貨店販売などを経て、現在はWEBライターとして活動中。出産をきっかけに「家事や育児と両立しながら、自宅でできる仕事を」と考え、ライターの道へ。自身の経験を活かしながら幅広く情報収集を行い、リアルで共感を呼ぶ記事執筆を心がけている。子育て・恋愛・美容を中心に、女性の毎日に寄り添う記事を多数執筆。複数のメディアや自身のSNSでも積極的に情報を発信している。