高齢化社会の日本で、あちこちに起こっている介護問題。介護には大きな労力やお金がかかります。どんなに親の介護をしたい気持ちがあっても、現実的には難しいケースも多々あるでしょう。今回は筆者の知人から聞いた介護にまつわるエピソードを紹介します。

無責任な姉妹

母の病院関係の手続きや送迎、施設入居に関する手続きはすべて私がしました。

すべて済んだあとで姉妹が集まったときに、姉から
「あんたが仕事を辞めてお母さんのこと看てあげられないの?」
と言われ、妹からは
「お母さん、お父さんと暮らした家が大好きなのに、施設に入れるなんて可哀想よ」
と言われました。

2人にそんな意図はなかったのかもしれませんが、私のこれまでの努力や葛藤を無視したかのような言葉に、私は「冷たい人」と責められているような気分に……。

立場逆転

そんな2人に向けて
「じゃあ、2人のどっちかが、仕事を辞めてお母さんと一緒に住んで介護したら?」
すると、先ほどまで「可哀想」と繰り返していた2人は、途端に
「それは無理よ」
「私だって仕事の責任があるし」
と言葉を濁し始めました。

私も簡単な気持ちで母の施設入居を決めたわけではありません。
「お母さんが望んでいるのは、私たちが笑顔で元気に暮らしていること。だから私は、お母さんがプロのケアで安全に過ごせる環境を選んだの。 それを否定するなら、具体的な助けを提案してほしい」
施設にお願いすることは、決して「手放すこと」ではありません。
これからも、「家族それぞれの生活」と「母への愛情」を両立させるために、自分を責めることなく、プロの方々と手を取り合っていこうと心に決めています。

【体験者:60代・女性パート、回答時期:2026年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Emi.A
夜の世界での接客業を経て、会社員に転身。その経験を生かして、男女の人間関係を中心にコラムを執筆。結婚と出産の際に会社員として苦労した経験を経て、働く母親世代の思いにも寄り添うべく、執筆業専門に転身。現在は、男女関係、ワーキングマザーのリアルを描くライティングを行う。