筆者の話です。
免許取りたての頃、慣れてくると初心者マークをつけることが、どこか恥ずかしく感じていました。
けれど、ある出来事をきっかけに、その見方が変わって──。

伝わる合図

そのとき、後ろの車の方が軽くクラクションを鳴らしてくれました。
お怒りだろうなと思い、頭を下げようと振りかえります。
すると、胸に両手を当てて深呼吸する仕草を見せたあと、身振りでハンドルの切り方を教えてくれました。

窓越しにゆっくりとした動きで示してくださり、その合図に目を向けます。
後方につけていた初心者マークを見て、運転に慣れていないと察してくださったようでした。
示された通りにハンドルを切り、慎重にアクセルを踏むと、車は少しずつ縁石から離れていきます。
やがて車線に戻ることができ、詰まっていた通路もゆっくりと流れ始めました。

変わる見方

ようやく車を動かせた安堵とともに、胸の中に残ったのは、あの合図のありがたさでした。
初心者マークがあったからこそ、状況が伝わり、助けてもらえたのかもしれません。
それ以来、乗車する前にはマークがきちんとついているか確認するようになりました。

当初は、運転に慣れてくると初心者マークを外してしまいたい気持ちになりました。
けれど、恥ずかしいと感じていた初心者マークも、周りのドライバーさんに知ってもらえる貴重な目印だと受け止めるようになりました。
今でもあの目印を見かけると懐かしく思い出します。
新人ドライバーさんが少しでも安心して運転できるようにと車間距離を開けるようになった出来事です。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2026年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。