人生の節目に立ったとき、「あのとき別の選択をしていたら」と考えてしまうことは誰にでもあるでしょう。特に、長く誰かのために走り続けてきた人ほど、ふと立ち止まった瞬間に空白を感じることも。今回は、筆者の知人の体験談をお届けします。
家族の予定が“私のすべて”
育児のために正社員を辞めてから、私の生活の中心は常に家族でした。
パート勤務をしながら家事をこなし、家族が快適に過ごせるよう立ち回る毎日。
自分のことはいつも後回しで、子どもたちが最優先。
当時はそれが正解だと思っていましたし、忙しさに紛れて自分の将来を深く考える余裕もありませんでした。
しかし、子どもたちもそれぞれ独立した今、充足感とともに私の中に残ったのは「社会から切り離されている」という猛烈な寂しさでした。
「もしもあのとき……」消えない後悔
「あのとき正社員を諦めずに続けていたら、今頃はもっと違う景色が見えていたのかも」
そんな後悔が、子どもたちのいなくなった静かなリビングで、何度も頭をよぎりました。
バリバリ現役で働く同世代と自分を比べ、「私には肩書きも、誇れるキャリアも何もない」と自分を卑下する日々。
私にとってパート勤務は、社会とのつながりを実感するには少し物足りませんでしたし、手が空いて自由な時間も増えた今、本当の意味で自分が必要とされている場所がないように感じてしまいました。