でもその彼女、話を聞けば聞くほど、心配な点が増えてしまい……。
SNS恋愛の危険に、未成年の我が子が巻き込まれてしまったエピソード。
息子に、初めての彼女
ある日、高校生の息子が照れくさそうに、でも嬉しそうに報告してくれました。
「母さん、俺、彼女できた」
「えっ、本当?」
突然のニュースに、私は思わず聞き返します。
聞けば、相手はSNSで知り合った女の子とのこと。
少し戸惑いましたが、今どきはそういう出会い方もポピュラーなのかもしれません。
親として心配な気持ちはありつつ、息子に初彼女ができたことを、一緒に喜んであげたいと思いました。
少しずつ募る「小さな違和感」
しかし、息子から聞く彼女の話には、ところどころ違和感を感じる部分がありました。
まず、住んでいる場所は遠方で、まだ一度も会ったことがないというのです。
「一度も会わずに付き合うって、そんなことありえるの!?」
それどころか、二人のやりとりはSNSのメッセージ上のみで、電話もしたことがないのだとか。
息子は、そんな見も知らない彼女と、将来は一緒に住みたいとまで言います。
正直、理解が追いつきませんでした。
「写真は交換してるよ。ほら、可愛いでしょ」
息子のスマホに写る女の子は、たしかにとても可愛いです。
でも、魅力的な女の子の写真なんて、ネットでいくらでも拾えますよね。
「一度ビデオ通話してみたら?」と提案してみると、息子は不機嫌そうに答えました。
「信じてるから大丈夫だよ。彼女、繊細で恥ずかしがり屋なんだ──お母さんの時代とは、違うんだよ」
初めての恋愛に、盲目にのめり込んでしまう経験は、私にも覚えがあります。
そんなときに、なにを言っても無駄かもしれません。
心配ではありますが、しばらくの間、息子の様子を見守ることにしたのでした。
会ったこともない子に、お金を貸す!?
そんなある日、息子が言いにくそうに切り出しました。
「あのさ……ちょっと、お金貸してほしいんだけど」
「えっ、お金!?」
理由を聞くと、「彼女がお金に困っているから、助けてあげたい」とのこと。
一瞬、言葉を失いました。
「ねぇ、少し冷静に考えてみよう」
もう悠長なことは言っていられません。
息子を傷つけることになっても、親子間に確執が生まれたとしても、彼と向き合い、話をしなければいけないと思いました。
「その彼女と、会ったこともないどころか、通話もできないんだよね。一度も声を聞いたこともない相手に、大切なお金を渡せないよ。はっきり言うね。あなた、騙されているんじゃない?」
息子は表情を強張らせ、しばらく黙り込んだのち、か細い声で言いました。
「ビデオ通話できるか、もう一度聞いてみる」