人はどうしても、見た目や第一印象で相手を判断してしまうことがあります。しかし、接客のプロなら話は別です。相手がどんな姿であっても態度に出さず、公平に対応してもらいたいものですよね。今回は、筆者の友人の体験談をお届けします。

憧れの場所で惨めな気持ちになり、足早に立ち去ろうとしたその時です。

ちょうどカウンターの裏側から、呆れたような顔をした友人とバッタリ鉢合わせました。
彼女はファッション業界で働く、このブランドのVIP客でした。

VIPの友人が放った、形勢逆転の言葉

友人は、私とBAのやりとりの一部始終を聞いていたようで、明るく声をかけてくれました。
そして、態度の悪かったBAに対し、凛とした表情でこう言ったのです。

「彼女、ここの常連で、私にこのブランドを教えてくれた恩人なの。そんな失礼な対応をするなんて驚いたわ」

一瞬でBAの顔が引きつり、「大変失礼いたしました!」と急に態度を改めて丁寧に案内し始めました。

しかし、変わり身の早すぎるその姿に、私は怒りを通り越してスッと気持ちが冷めるのを感じました。

本当の「美しさ」を届ける仕事とは

「いえ、結構です。楽しみにして来たけれど、今日は別の方から購入させていただきます」
私は静かにそう告げ、隣のカウンターへ移動しました。

そこで、最初から最後まで丁寧で温かい接客をしてくれる別のBAさんから、お目当てのアイテムを買うことができたのです。

見た目で人を判断するような接客は、結局、自分自身の価値を下げていることに他なりません。

コスメは、人を元気にし、笑顔にするための魔法のようなもの。
魔法を届ける側の方々にも、外見の先にある「ワクワクしてここに来た気持ち」を、どうか置いてけぼりにしないでほしい。
そう強く感じた出来事でした。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。