速攻で帰って行くAさん
時計が退勤時間を指した瞬間、Aさんはスッと「レジ休止中」の立て札を取り出すと、次のお会計を待っているお客さんの目の前にバンっと置きました。
「勤務終了時間になりましたので」
Aさんはお客さんにそう言うと、すたすたとその場を去って行ったのです。
お客さんも私も呆然。
幸い、すぐに他のスタッフがフォローに入りましたが、私は「あそこで切り上げられるなんて……」という小さな衝撃が残りました。
間違ってはいないけれど
私の感覚では、お客様が並んでいたら「キリがいいところまで」と自分を後回しにするのが当たり前になっていました。
改めて考えるとAさんの行動は契約に忠実であり、決して「間違い」ではありません。
むしろ、「時間通りに上がる」という彼女の徹底した姿勢を見て、「お店としても時間通りに上がれるような仕組みが必要なのかも」という考えも浮かびました。
Aさんの行動は、なあなあになりがちな現場の空気に一石を投じたようにも思えたのです。
いいのか悪いのかは私には判断できませんが、いろんな人の考えに触れられるのが“社会”なのだと改めて実感した出来事でした。
【体験者:40代・女性パート従業員、回答時期:2026年4月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Junko.A
子育てに奮闘しながら、フリーランスのライターとして活躍中。地方移住や結婚、スナックの仕事、そして3人の子育てと、さまざまな経験を通じて得た知見をライティングに活かしている。文章を書くことがもともと好きで、3人目の子どもを出産後に、ライターの仕事をスタート。自身の体験談や家族、ママ友からのエピソードを元に、姑に関するテーマを得意としている。また、フリーランスを目指す方へ向けた情報ブログを運営中。