その数時間後、事件が起きたのです。
調べ物をしようとスマホを手に取った娘が、固まったまま動かなくなったのです。
画面には、私とAIの履歴が残っていただけでなく、AIが娘に向かってこう問いかけていました。
「あなたは先ほど、Bの病気の検査について相談していましたよね。続きをお話しますか?」
AIの無機質な言葉が、娘の心を傷つけた瞬間
驚いた娘が「どうして病気の再検査について知っているの?」と問いかけると、AIは残酷にも「以前、あなたに教えてもらったからです」と回答したのです。
スマホを見ていた娘は突然、部屋にこもってしてしまいました。
娘の様子がおかしいとスマホを覗き、AIとのやり取りを目の当たりにして、私は気付いたのでした。
血の気が引いたとは、まさにこのこと。
娘は、私からもまだ伝えていない情報を、AIによって知ることになってしまったのです。
娘はその情報に動揺し、部屋にこもってしまったのでした。
便利さの裏側に潜む共通記憶の罠
親切なはずのAIは、利用者が「私」か「娘」かを区別することなく、前の会話を「共通の記憶」として保持していたのです。
私は不安だからと娘の病気を検索し、娘の見えるところにスマホを置いておいたことを猛省しました。
同じスマホを使っているからこそ、こんな事故は起きると想定すべきでした。
現代のデジタルライフの危うさを痛感し、冷や汗が止まらなかった出来事でした。
【体験者:30代・女性パート、回答時期:2026年4月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。