ある日突然、わが子が小学1年生の息子を置いて家を出てしまいました。絶望の淵に立たされた私たち夫婦が、親代わりとして孫を育て上げた10年間。体力的な限界や娘への葛藤を抱えながら過ごした日々の果てに、高校生になった孫から贈られた言葉とは? 友人が、体験談を語ってくれました。

「親」として駆け抜けた10年

それから十数年、私と夫は「この子だけは絶対に守り抜く」と誓い、二人三脚で孫を育ててきました。

授業参観も、運動会も、三者面談も。

孫を育てるために夫は定年後も働き続け、貯金を切り崩しながらの生活。

親代わりとして駆け抜けた日々は、体力的も経済的にも過酷でしたが、孫の成長だけが私たちの生きがいでした。

孫が語った自立と感謝

そして最近、高校生になった孫が、ある日照れくさそうに言ったのです。

「じいちゃん、ばあちゃん。ここまで育ててくれて、本当にありがとう。高校出たら、就職して自立したいんだ」と。

その言葉を聞いた瞬間、長年胸に突き刺さっていた娘への恨みや、自分への不甲斐なさが、スーッと溶けていくのを感じたのです。

私は、娘を育てる親としては失格だったのかもしれません。

でも、目の前で真っ直ぐに育った孫の姿こそが、私たちが積み重ねてきた時間の「正解」だと思えたのでした。

【体験者:60代・女性パート、回答時期:2026年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。