筆者友人A子の話。下の子の幼稚園バスのお迎え待ちのたびに、習い事自慢が止まらないNさん。上の娘が「絵を習いたい」と話すと、「将来どうするの?」と鼻で笑われました。それでも娘は描き続け、地域コンクールで最優秀賞を受賞。表彰式でNさんと鉢合わせたあの日のことは、今でも忘れられません。
「子どもの可能性は早いうちに」が口癖のNさん
幼稚園バスのお迎えで毎日顔を合わせるNさんのトークは決まっていました。
「うちはね、英語・ピアノ・スイミング・バレエ、全部通わせてるの♡ 子どもの可能性って、早いうちに広げてあげないといけないじゃない?」
聞いてもいないのに始まる習い事報告に、内心うんざりしながらも、曖昧に微笑むしかありませんでした。
「絵なんて将来どうするの?」
ある日、上の娘が「絵を習いたい」と言い出しました。
そのことをNさんに話すと、返ってきたのは予想外の言葉。
「絵って……将来どうするの? 食べていけないでしょ(笑)」
鼻で笑いながらそう言ったNさんの顔が、忘れられません。
娘の「好き」を、たった一言で切り捨てた瞬間でした。
悔しかったけれど、それ以上何も言えませんでした。
それでも娘は週に一度、楽しそうに絵を描き続けました。
静かに積み上げた日々
絵画教室に通い始めた娘は、みるみる夢中になっていきました。
先生に褒められるたびに目を輝かせ、家でもスケッチブックを広げる毎日。
Nさんの言葉を思い出すたびに「この子の好きを信じよう」と心に決めていました。
ある日、地域の子ども絵画コンクールの案内を学校からもらってきました。
娘は「出てみたい!」と自分から手を挙げました。