4歳の娘が、ある日を境に「空想のお友達」と話すように。
最初は微笑ましく見ていたものの、娘の<ある一言>をきっかけに、背筋が凍ります。しかし、その不思議な現象の裏側に隠されていたのは……?
「ねぇ、これからはママと遊ぼうよ」
歩み寄るようにそう伝えたとき、娘は少し目を伏せて、ぽつりと言ったのです。
「でも……ママ、最近忙しそうで、あんまり遊んでくれないもん。ミナちゃんが一緒にいてくれたら、さみしくないの」
はっとしました。
たしかに、娘が幼稚園に入ったのをきっかけに仕事へ復帰した私は、毎日いっぱいいっぱいでした。
「ママ、きいて」「ママ、遊ぼう」
そんな娘の言葉を、「忙しいから、あとでね」と受け流してしまったことも多かったように思います。また、忙しくなったことで夫ともケンカが増え、家の中の空気もどこかピリついていました。
幼い娘は「ミナちゃん」を作り上げることで、寂しさを埋めていたのかもしれません。
「ミナちゃんがいない」
それからは、娘のために努力しました。
早起きして仕事を片付け、一緒に遊ぶ時間を増やせるように。
目を見て話を聞き、娘の心に耳を傾けられるように。
すると、ある日娘が不思議そうに言ったのです。
「──あれ? ミナちゃんがいない」
最初は、「今日もいない」と心配そうに「ミナちゃん」を探す娘でしたが、しばらくした頃には、だんだんと話題に出すこともなくなっていきました。
見えないもの、見えなかったもの
私は「ミナちゃん」という不思議な存在に恐怖を感じていました。
しかし、本当に見えていなかったのは、娘の気持ちだったのですね。
大きくなった娘は「ミナちゃん」がいたことなんてすっかり忘れてしまったそうですが、私はあのときの衝撃をずっと忘れられないと思います。
【体験者:40代女性・パート主婦、回答時期:2026年4月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:大城サラ
イベント・集客・運営コンサル、ライター事業のフリーランスとして活動後、事業会社を設立。現在も会社経営者兼ライターとして活動中。事業を起こし、経営に取り組む経験から女性リーダーの悩みに寄り添ったり、恋愛や結婚に悩める多くの女性の相談に乗ってきたため、読者が前向きになれるような記事を届けることがモットー。