隣人との距離感は、近すぎても遠すぎても難しいものです。ある程度はお互い様とはいえ、特に住宅が密集している地域では、色々と気になることも多いですよね。今回は、筆者の友人が実際に体験したエピソードをご紹介します。

予想外だった「水飛沫」の正体

すると向こうが先に「そういえば、お宅の壁、鳥のフンがついていたので流しておきました。勝手に水をかけてしまってすみません」と口にしたのです。

見上げると、たしかに以前から気になっていた高い場所の鳥のフンが、跡形もなくきれいに消えています。
それだけではなく、お隣さんに接している壁は、ほかの壁に比べて明らかに綺麗だということに、そのとき初めて私は気付きました。

「えっ? ありがとうございます!」驚きながらお礼を言うと、「ついでですから。事後報告になってしまいすみません。たまに気になる汚れがあると洗っちゃってます」と笑顔のお隣さん。

なんと、水しぶきは不注意ではなく、私の家の汚れを落とすための善意からくるものだったのです。

恩着せがましさの欠片もないその言葉に、勝手な思い込みで相手を判断していた自分が恥ずかしくなりました。

疑う前に言葉を交わす大切さ

それ以来「こちらが被害を受けている」という思い込みはお隣さんへの感謝へと変わりました。
今では洗車の音が聞こえるたびに、むしろありがたい気持ちになります。

相手の行動を自分の物差しだけで判断せず、まずは言葉を交わしてみること。
そうするだけで、見える世界は大きく変わるのだと痛感した出来事でした。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2026年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。