筆者の話です。
ご近所の方から「いらんからあげる」と服を渡されたことがありました。
その何気ない一言が、思わぬ負担につながって──。
ご近所の方から「いらんからあげる」と服を渡されたことがありました。
その何気ない一言が、思わぬ負担につながって──。
返す悩み
受け取ったあと、母はぽつりと「お返しをしないわけにもいかんよね」とつぶやきました。
「あれだけ文句を言っていたのに、同じことを思われたらどうしようか」
もともと誰かから贈られたものを譲ってもらった形ではありますが、受け取った以上、何も返さないわけにはいかないと感じたようです。
「前に『あんなものより商品券のほうがいいのに』って言ってたよね」
迷った末に、母は近くのスーパーで商品券を用意し、お礼として渡すことにしました。相手の言葉を思い出しながら選んだその品に、母なりの気遣いがにじんでいたように思います。
残る気遣い
もともとは誰かからの贈り物だったものを受け取っただけのはずなのに、そのあとには新たな気遣いが生まれていました。
悪気はないのかもしれません。けれど、「いらないからあげる」という一言は、受け取る側に思いがけない負担を残すこともあるのだと感じます。
贈り物は、渡す側の気持ちだけでなく、受け取る側の感じ方によって意味が変わるもの。
その距離感の難しさを、あらためて考えさせられた出来事でした。
【体験者:50代・筆者、回答時期:2026年4月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。