幼い頃、大好きだった祖母が教えてくれた「お参りの作法」があります。「神様に願い事をしては駄目よ」というその言葉は、大人になった今でも私の心に深く刻まれています。人生の困難にぶつかった時、自分の足で立ち上がる強さと、日々の感謝を忘れない心を育ててくれた、亡き祖母の心温まるエピソードをご紹介します。
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神様には「お願い」ではなく「感謝」を

私がまだ子供だった頃、おばあちゃん子だった私は祖母と一緒に神社やお寺、道端のお地蔵さんの前を通りかかったり、お仏壇に手を合わせたりする機会がよくありました。そんな時、祖母はいつも私にこう教えてくれました。

「神様や仏様に願い事をしてはいけないよ。いつも見守って下さりありがとうございます、と感謝の気持ちだけで手を合わせなさい」

子供ながらに「神様はお祈りして願いを叶えてもらうものじゃないの?」と不思議に思ったことを覚えています。

願いを叶えられるのは「自分だけ」

不思議がる私に、祖母は優しくこう続けました。

「神様や他人に願っても叶わないよ。願い事はね、お布団に入って寝る時に、自分自身に向かって『こうなれますように』と願いながら寝なさい。だって、自分の願いを叶えられるのは、結局自分だけなんだから」

この言葉は、ただの精神論ではなく「自分の人生は自分で切り拓くものだ」という、祖母なりの力強いメッセージだったのです。他力本願にならず、自分の足で立ち、努力することの大切さを、子供にも分かりやすい言葉で伝えてくれたのでした。

「お邪魔します」の心で手を合わせる

また、祖母は神社やお寺へ行く時の「心構え」も教えてくれました。

「神様のところへ行く時は、よそ様のお家へ行って『お邪魔します』って言うのと同じ気持ちで行きなさい。心の中で『お邪魔します、お邪魔しました』と思いながら頭を下げるのよ」

この教えのおかげで、私は目に見えない存在や神聖な場所に対して、畏れ敬う気持ちを自然と持つことができるようになりました。