混み合う駅の待合で目撃した、若い女性の気になる行動。思い切って声をかけたところ、返ってきた言葉にあ然としてしまいました。知人から聞いたお話を紹介します。

すると彼女は私を見上げて、無邪気な顔でこう言ったのです。

「だって、これ初めて買ったブランド物の旅行鞄なんです。絶対床なんかに置きたくないし!」

その発言に、私は一瞬返す言葉に迷ってしまいました。

少しして彼女は、
「うーん。あと5分で電車が来るから、そしたらどきます」
と答えました。

そのとき、やり取りを見ていた別の方が高齢の女性に席を譲ってくれました。
ホッとしましたが、この出来事は私の中に深い印象を残しました。

気持ちは分かるけど

確かに、新調したばかりの大切な鞄を、不特定多数の人が歩く床に直接置きたくないという心理は、物を大切にするという意味では理解できなくもありません。彼女に悪気はなく、ただ自分の「大切にしたいもの」に集中してしまっていたのでしょう。

ですが、鞄を汚さないための方法は、「椅子に置く」ことだけではないはずです。自分の膝の上に抱えるなど、周囲に配慮しながら鞄を守る方法はあったのではないでしょうか。

公共の場においては、自分のこだわりを優先するあまり、周囲の困っている人に目が向かなくなってしまうのは少しもったいないことだと感じます。
年齢を重ねた今だからこそ、私にもそのことがはっきりと分かり始めました。

「あのとき、もっと彼女の気持ちにも寄り添った別の言い方ができたかな」と少し反省しつつ、同時に、スマートに席を譲った他の方の姿を見て「私もあのように、いつでも周囲を気遣える大人の余裕を持っていたい」と改めて感じました。

【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2026年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Junko.A
子育てに奮闘しながら、フリーランスのライターとして活躍中。地方移住や結婚、スナックの仕事、そして3人の子育てと、さまざまな経験を通じて得た知見をライティングに活かしている。文章を書くことがもともと好きで、3人目の子どもを出産後に、ライターの仕事をスタート。自身の体験談や家族、ママ友からのエピソードを元に、姑に関するテーマを得意としている。また、フリーランスを目指す方へ向けた情報ブログを運営中。