筆者の話です。健康管理に非常にストイックだった夫が、ある時期から一切の健康習慣をやめてしまいました。私が助言しても「うるさい」と拒絶。毎晩浴びる様に飲食するようになっていきます。禁煙していたのに煙草も復活。その後、夫と私が直面した衝撃の出来事とは……。
夫の変化
かつての夫は、健康に人一倍うるさく食事の内容に驚くほど気を遣う人でした。
体重はグラム単位で管理し、早朝のランニングと筋トレを欠かさない。
会社の健康診断で少しでも気になる数値が出れば、すぐに専門の医療機関を受診する。
傍から見ても、健康管理への意識が高い人物だったのです。
しかし、ある時期からそれをピタリと止めてしまいました。
愛用のランニングシューズは玄関で埃をかぶり、毎朝乗っていた体重計にも乗っていません。
健診の結果を尋ねても「問題ない」の一言。深く追及しようものなら、「お前に関係ないだろ!」と激しい拒絶が返ってくるようになったのです。
その裏にあったのは、夫が仕事のために始めた「データ分析」への没頭でした。
彼は「数値への執着」によって健康管理に熱意を注いでいたのですが、今度はその熱意がすべてモニターの中のビジネスデータに向けられてしまったのです。
寝食を惜しんで数字を追う姿には、かつてのトレーニング姿と同じ熱量を感じましたが、決定的な違いが一つ。
そこには、自身の命への配慮がひとかけらも残っていませんでした。
届かない助言
私は管理栄養士です。
食事の知識があり、生活習慣病のリスクも、人一倍理解しています。
しかし、皮肉なことに、自分の夫の健康を守ることはあまりに難題でした。
モラハラ気質の夫は、妻である私からの助言を「指図」と受け取るため、食事の内容について少し口にするだけでも「うるさい」と一蹴されます。
夫の自室には深夜に買い食いした形跡や、大量の空き瓶が残る日々。プロとしてリスクが見えているからこそ、目の前で夫の生活が崩れていくのを止められない無力感は、言葉にできないほど過酷なものでした。
知識があっても、相手に「聞く耳」がなければ何もできない。
それが現実でした。