筆者の話です。
友人と別れ際に交わす、あの『お礼のやり取り』
何度も続くやり取りに、ふと違和感を覚えて──。

いつものやり取り

「これ、お礼」
友人と別れるとき、ちょっとした品を差し出されました。
会うたびではないものの、何かのお礼として渡されることがあり、そのたびに同じやり取りが始まります。

「いやいや、そんなのいいよ」
そう返すのが、これまで当たり前になっていました。
相手に気を遣わせたくない、という思いやりが「一度断る」という形になっていたのです。
その流れに、特に疑問を持つこともありませんでした。

続いてしまう理由

「気持ちだから」
「でも、気を遣わなくていいのに」
言葉を重ねながら、何度かやり取りが続きます。
お互いに笑顔ではあるものの、差し出す手と、押し返す手が行き来して、なかなか終わりません。
その場の空気は穏やかで、ぎこちなさはありません。
けれど、どちらも引かないままやり取りが続く時間に、少しだけ間が生まれていました。

その流れに身を任せながらも、心のどこかで「ああ、また始まったな」と感じている自分がいました。
昔から見慣れてきたやり取りだったこともあり、自然と受け入れていたのだと思います。
笑いながらやり取りを続けているものの、どこか形式的な会話のようにも感じていました。