相手ママの言葉に、張りつめた気持ちがほどけた
その話を聞いたとき、頭に浮かんだのは一つでした。
(どうやって謝ればいいんだろう)
保育園から相手の保護者の連絡先を教えてもらい、電話で事情を説明しながら謝罪しました。すると、相手のママは落ち着いた声で言いました。
「子どものしたことだから、気にしないでくださいね」
その言葉に、肩の力が抜けたのを覚えています。
後日、お迎えの時にそのママと顔を合わせました。改めて謝り、クリーニング代を出したいと伝えると、笑顔でこう返ってきたのです。
「うちの子も、これから何かで迷惑をかけるかもしれないし。お互い様だから大丈夫ですよ」
さらに、汚れもきれいに落ちたと教えてくれたのです。そのやり取りを通して、張りつめていた気持ちが、すっとほどけていきました。
あのときのやり取りが、私の基準になった
帰り道、ふと考えました。
自分が同じ立場だったら、あのように受け止められるだろうかと。
頭では理解していても、実際の場面で同じ対応ができるかは分かりません。だからこそ、相手のママの言葉や態度が強く印象に残りました。
この出来事は、大きな問題にはなりませんでした。
でも、相手の受け止め方ひとつで、感じ方は大きく変わるのだと実感しました。
「お互い様」と言える余白。
それを自然に伝えられる姿は、私にとって一つの基準になったのです。
いつか逆の立場になったとき、今回受け取ったやさしさを返せるように。
その気持ちを、ずっと持ち続けたいと思っています。
【体験者:40代・筆者、回答時期:2026年4月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:大空琉菜
受付職を経て、出産を機に「子どもをそばで見守りながら働ける仕事」を模索しライターに転身。 暮らしや思考の整理に関するKindle書籍を4冊出版し、Amazon新着ランキング累計21部門で1位に輝く実績を持つ。 取材や自身の経験をもとに、読者に「自分にもできそう」と前向きになれる記事を執筆。 得意分野は、片づけ、ライフスタイル、子育て、メンタルケアなど。Xでも情報発信中。