「ねえ、出産ってAがしたことなんだから、出産費用は全額Aが払うべきじゃない?」
あまりに配慮を欠いた発言に、Aさんは耳を疑いました。そして、冷静にこう言い返しました。
「もし身体の負担もお金も私一人の責任だと言うなら、この子は私が産んだから私だけの子ってことでいいのね? あなたは育児に参加する権利も責任もないけれど、それでいい?」
出産を機に意識が変わりました
Aさんの言葉にハッとした表情になった夫。「数字を割ること」に固執するあまり、命を授かるという共同作業において、妻だけが背負っている肉体的・精神的な重みを見落としていたことに気づかされたようです。
「そういうわけじゃないけど……」
言い淀んだ夫の様子を見て、このままでは育児の費用でももめることになるに違いないと感じたAさん。長年染み付いた「折半ルール」がすぐに消えるわけではないでしょう。Aさんはこの出来事を機に、財布を一つにして「家のお金」という概念を導入しました。
もちろん、今でも夫の「倹約家すぎる一面」や「数字へのこだわり」が顔を出すことはあります。そのたびにAさんは「育児や家事の負担は数字で割り切れないこと」を根気強く伝え、話し合いを重ねています。
現在は、自分のお金ではなく「家族のお金」を守るために家計管理を頑張ってくれている夫。
「平等」の形は家庭それぞれですが、ライフステージに合わせてルールを柔軟にアップデートしていくことの大切さを教えてくれるエピソードでした。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2026年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:安藤こげ茶
自身も離婚を経験しており、夫婦トラブルなどのネタは豊富。3児のママとして、子育てに奮闘しながらもネタ探しのためにインタビューをする日々。元銀行員の経験を活かして、金融記事を執筆することも。