筆者の友人Aさんは、5人の子どもを育てる専業主婦です。子どもたちの看病をしていて、ついに自分まで高熱を出して倒れた彼女に、出張帰りの夫がかけたのは労いではなく耳を疑うひと言でした。

ところが、枕元に来た夫の第一声はというと……。

「どこか行く?」

今それ聞く!? と怒りが爆発

一瞬、意味が分かりませんでした。

目の前には、高熱で顔が熱く、起き上がるのもしんどい私が寝ているのです。

それなのに、なぜその言葉が出てくるのか。

夫なりの気遣いだったのかもしれません。
出かけるのが好きな人なので、気分転換のつもりだったのかもしれません。

でも、その瞬間、怒りが一気に込み上げました。

「今それ聞く!? 見てわからないの!?」

しんどさと情けなさで、思わず声を荒らげてしまいました。

悪気がないからこそ、絶望しました

夫は予想以上に具合が悪かった私の言葉にハッとして、謝罪をしてくれました。

夫に悪気はなく、むしろ気を遣ったつもりだったのだと思います。

それでも開口一番にそんな言葉が自然に出てくる、その圧倒的なズレに私は戸惑ってしまったのです。

しかし、反省した夫はその後家事や買い物を私の代わりに行ってくれるなど、懸命に動いてくれました。

出張帰りで疲れているところ看病をしてくれたことに感謝しています。
ですが、「悪気がない」ということは、時に残酷なことなのかもしれないということも痛感した出来事でした。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2026年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:森奈津子
海外生活や離婚、社会人での大学再入学など、多彩な経歴を持つライター。現在は幼稚園教諭として保護者の悩みに寄り添うほか、日々の人付き合いの中から生まれるリアルな本音に耳を傾け、多様な価値観に触れてきた独自の視点でそれらを記事にしている。