筆者友人E子の話。攻略キャラの名前は次々出てくるのに、クラスメイトの名前が出てこない。そのとき初めて、ただごとじゃないと思いました。シングルマザーとして生活を支えるために仕事で家を空けがちだった私と、小学生のころからゲームの世界にのめり込んでいった息子の話。奪うことも、放置することも、正解じゃなかった。今も答えを探している途中の、正直な記録です。

最初は「まあいっか」だった

息子が学校に行きたがらなくなったのは、小学校の3年生の中頃からでした。
理由はぼんやりとしていて、いじめというほどでもないけれど、クラスに居場所がないと感じた、とだけ言っていました。

そんな息子が、ゲームの中では生き生きしていました。
オンラインでつながった友達と笑いながら話している声が、部屋から聞こえてくる。
それは、現実の生活では見せなくなっていた表情でした。

私はシングルで、日々の生活を維持するために仕事を休むわけにもいきませんでした。
仕事から疲れ果てて帰宅し、息子が何をしているかを細かく把握できていなかった……。
「ゲームが居場所なら、まあいっか」──そう思い始めたのは、自分の余裕のなさと、息子への後ろめたさを見ないようにするためだったのかもしれません。

部屋から出てこなくなった日

いつのまにか、食事の時間も画面の前になっていました。
声をかけても返事が遅い。
目が合わない。
「ちょっといい?」と言っても「あとで」が続く。

現実の私たちとの会話が、どんどん薄くなっていきました。

ゲームの世界に、息子が完全に引っ越してしまうような感覚。
その恐怖は、じわじわとやってきました。
無理やり電源を抜きたい衝動と、それをしたら息子との最後の糸が壊れる予感が、毎日せめぎ合っていました。