自分から行動するよう作戦を企て決行
そこでE子は、直接叱るのではなく、自然に行動を促す方法を考えました。翌日、掃除の時間が近づいたタイミングで、E子はあえてR子に声をかけます。「R子さん、このあと一緒に清掃の流れを確認しようか。新人のうちは全体を知っておいた方が後で楽になるからね」とあくまで「教育の一環」という形で誘導したのです。
R子は少し戸惑いながらも、「はい」と返事をして、そのまま一緒に掃除をすることに。その際、E子はただ作業をさせるだけでなく、「ここは異物混入を防ぐために大事な工程なんだよ」とひとつひとつ意味を丁寧に説明しました。単なる「雑務」ではなく、仕事の一部であることを理解してもらう狙いでした。
新人の意識に変化が
それ以降、R子が露骨に姿を消すことはなくなり、最初はぎこちない様子でしたが、周囲の動きを見ながら自分から動く場面も増えてきました。ある日、「掃除って大事な仕事のひとつなんですね」とR子がぽつりと話したとき、E子は内心ほっとしたそうです。
強く指摘するのではなく、伝え方を工夫することで相手の理解を引き出すことができる。今回の経験を通して、E子は指導の難しさと大切さを改めて実感したと言います。
職場での役割はすべてがつながっているもの。互いに歩み寄りながら伝えていく姿勢が、円滑な関係を築く鍵になると感じたエピソードでした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Miwa.S
事務員としてのキャリアを積みながら、ライター活動をスタート。持ち前の聞き上手を活かし、職場の同僚や友人などから、嫁姑・ママ友トラブルなどのリアルなエピソードを多数収集し、その声を中心にコラムを執筆。 新たなスキルを身につけ、読者に共感と気づきを届けたいという思いで、日々精力的に情報を発信している。栄養士の資格を活かして、食に関する記事を執筆することも。