たとえ家族でも、整理整頓への価値観が違うと一緒に暮らすのは大変ですよね。片付けを強いる側と、物を大切にしたい側。この埋まらない溝に悩み、衝突してしまうことも少なくありません。今回は、筆者の友人の体験談をお届けします。
「片付けなさい!」が口癖の母
子どもの頃から、私は毎日のように「また散らかってるじゃないの」「早く片付けなさい!」と母に叱られていたものです。
物を捨てるのが苦手で思い出を抱え込みたい私に対し、母は驚くほど潔い性格で「丸一年使わなかったものは今後も使わないよ」が口癖。
リビングはいつも整然としていて、必要がなくなったものはどんどん処分してしまいます。
「お母さんは冷たい。思い出なんてどうでもいいんだ」
そんな反発心を抱えたまま、私は大人になりました。
母が好きな「無駄がなく、整った家」は、当時の私にはどこか血が通っていないようにさえ見えていたのです。
遺品整理で見つけた箱
そんな母が昨年亡くなり、私は遺品整理をすることになりました。
予想通り、母の持ち物は驚くほど少なく、部屋はどこまでもすっきりと片付いていました。
ところが、クローゼットの最上段に、その整った空間とはあまりに不釣り合いな、古びたお菓子の空き箱がいくつか並んでいるのを見つけたのです。
埃をかぶったその箱だけが異様な存在感を放ち、私は思わずその場で立ちすくみました。