筆者の体験談です。二人の子どもが重度知的障害を持つ私は、後見人や相続の準備のため行政書士に相談に行きました。複雑な家庭状況を説明すると、担当の行政書士は頭を抱え始めます。そこで告げられた驚きの提案とは……?
立ちはだかる問題
2人の子どもが共に重度の知的障害があると診断されてから、私の頭の中には常に「子ども達の将来」という問いが居座り続けています。
そして、長男が18歳で成人を迎えた頃から、さらに後見人の問題が現実として目の前に立ちはだかってきました。
資産を自分で管理することができない子どもたちのために、法的な備えをしなければなりません。
そう決意した私は、相続や障害福祉に詳しい専門家を探して複数の行政書士や司法書士事務所に足を運び始めました。
複雑な事情
ある日、予約したのは市街地にある大きな行政書士事務所でした。
広くて整然としたオフィスに案内され、向かいに座った行政書士はいかにも「仕事ができる人」という雰囲気をまとった人物でした。
子どもが二人とも重度の知的障害があり、資産を管理する能力がないこと。夫には借金があり、万が一のときには相続放棄を視野に入れていること。さらに障害のある子どもたちへの財産の残し方、後見人の選任、遺言書の作成——。
一つひとつ、これまで自分なりに整理してきた問題を、順を追って丁寧に伝えました。
ところが話を聞くにつれて、行政書士の表情がどんどん変わっていきます。眉間にしわが寄り、腕を組み、頭を抱えるような仕草を見せました。それだけ複雑な案件だということは、私にも伝わりました。
専門家が頭を抱えるほどの問題を、私はずっとひとりで抱えてきたのだと改めて実感しました。