彼は患者様への施術を任されることはなく、準備や案内などの補助業務のみが続き、仕事の幅が広がる気配もありませんでした。
やがてスタッフから院長へ状況が共有され、本人と改めて話し合いの場が設けられることになりました。
最後に分かった、驚きの事実
話し合いの中で、思いがけない事実が明らかになりました。面接で「資格を取ったばかり」と話していた彼……。
しかし──、実はまだ合格していなかったのです。
院長は面接時から修了証明書や合格証明書の提出を求めていましたが、「今探している」「機関に問い合わせている」などうやむやな回答を繰り返していたことも発覚。
本人はそれでも働きたいと話していましたが、そのまま続けることはできず、結果として退職することになりました。
あの出来事のあと、私はふと考えました。
最初は、ただ「身だしなみが整っていない人」という印象でした。
けれど振り返ってみると、本質はそこではなかったのかもしれません。
指導をどう受け止めるかや、日々の行動の積み重ねに、その人の仕事への向き合い方が表れるのだと考えるようになりました。
それ以来、私は誰かと一緒に働くとき、相手の振る舞いを、気にするようになりました。
そして同時に、自分自身の振る舞いも見られているのだと意識するようになりました。小さな行動や身だしなみは、その人の姿勢として周囲に伝わるものなのかもしれません。
私自身も、そうした点に注意して仕事をするようになりました。
【体験者:40代・筆者、回答時期:2026年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:大空琉菜
受付職を経て、出産を機に「子どもをそばで見守りながら働ける仕事」を模索しライターに転身。 暮らしや思考の整理に関するKindle書籍を4冊出版し、Amazon新着ランキング累計21部門で1位に輝く実績を持つ。 取材や自身の経験をもとに、読者に「自分にもできそう」と前向きになれる記事を執筆。 得意分野は、片づけ、ライフスタイル、子育て、メンタルケアなど。Xでも情報発信中。