久しぶりの帰省で会ったのは
久しぶりに実家に帰ったときのことです。
私は進学を機に県外へ出ていて、そこで今の夫と出会い結婚。結婚してからも盆や正月には帰省していましたが、仕事や新型コロナウイルス感染症などの影響でしばらく会えない期間がありました。
そして、ようやく実家に帰省できるようになったとき。2泊3日、夫とともにお世話になることにしました。家に着くと嬉しそうに出迎えてくれる両親。中に入ると、同じようにしばらく会っていなかった兄の姿もあったのです。
兄から唐突な「実家売却」の提案
「久しぶり」と声をかけ、しばらくリビングで話をしていました。そして、夫がテイクアウトの寿司を取りに行ったタイミングで、兄がこんなことを言い始めたのです。
「なあ、この家ってそろそろ売ったほうがいいんじゃないか?」
突然の発言に、両親も私も「どういうこと?」と固まってしまいます。両親はまだ二人とも現役で働いていて、特に持病もなくとても元気です。家のローンはとうに支払いが終わっていて、ここは二人にとって終の棲家とも言える場所。
「いやいや、お父さんもお母さんもまだ元気だし、売る必要なんてないよ」
私がそう言っても、兄は「ローンはなくても維持費がかかるだろう」「今どきは生前に整理するものだし」などと、もっともらしい理由を次々に述べていきます。確かに終活の重要性は分かりますが、再会を喜ぶ空気の中で、あまりに唐突で強引な物言いに違和感を覚えずにはいられませんでした。
そのタイミングで夫が帰ってきたこともあり、この話はうやむやなまま終わりました。
兄が考えていた計画とは
兄の発言が気になりつつも、私たち夫婦は実家でのんびりと過ごしました。
当の兄は話の後、一人暮らししている自分の家に帰っていきました。実家から車で30分ほどの場所に住んでいますが、あまり実家には行っておらず、今回が久しぶりの帰省だったようです。それでも両親は息子が近くに住んでいるという安心感もあり、兄には少し甘い対応を取っていました。
帰省から少し経ったある日、親戚のおばから連絡がありました。