雪のほとんど降らない地域に住む三歳の娘が、テレビで見た雪景色に憧れ、和室いっぱいに“あるもの”で「雪」を作った出来事。突然の光景に驚きながらも、その発想の可愛らしさに思わず笑ってしまう私。心が温かくなる冬の思い出として残った、筆者のエピソードです。

雪に憧れた三歳の娘

晩ご飯の支度に追われていた冬の夕方、テレビのニュースでは東北地方の大雪が報じられていました。画面には、膝まで埋もれそうなほど積もった雪や、真っ白な街の様子が映し出されています。けれど、わが家のある地域ではほとんど雪が降りません。降ったとしても、うっすらと地面が白くなる程度です。

三歳だった娘は、そのニュースを食い入るように見つめながら「いいなあ」とぽつりと言いました。外で思いきり雪遊びをする子どもたちの姿が、とても楽しそうに見えたのでしょう。私は「いつかみんなでスキー旅行に行って、たくさん雪遊びしようね」などと声をかけながら、台所で晩ご飯の準備を続けていました。

和室いっぱいに広がった“雪”

しばらくすると、娘が和室の方へと走っていきました。六畳ほどの小さな部屋です。ふすまをぴたりと閉め、「見ちゃダメよ!」と弾んだ声が聞こえてきました。何をしているのだろうと思いながらも、私は台所で鍋をかき混ぜながら様子をうかがっていました。

やがて「ママ来て!」と呼ばれ、ふすまを開けて中に入った瞬間、思わず言葉を失いました。