筆者の話です。妊娠後期の通勤電車は、想像以上に体にこたえるものです。
優先席の近くに立っていても必ず座れるわけではなく、揺れる車内でつり革につかまりながら過ごす時間は、体力的にも気持ち的にも少しつらいものでした。そんなある朝、遠足に向かう中学生たちの優しさに、思いがけず心を救われる出来事がありました。

広がっていった中学生たちの優しさ

すると、その様子を見ていた周りの中学生たちも、次々と話しかけてくれました。「お腹大きいのに大変だね」「いつも座れてる?」「みんな席譲ってくれてる?」と、まるで心配するように優しい声をかけてくれたのです。遠足前で浮き立つ気持ちの中にいるはずなのに、見知らぬ大人の私にそんなふうに気を配ってくれることに驚きました。

忘れられない朝の出来事

その優しさが胸にしみて、朝から涙が出そうになりました。電車の揺れに耐えていたさっきまでの疲れが、ふっと軽くなった気がしました。名前も知らない、もう二度と会うこともないかもしれない子どもたち。でもあの日の優しさは、今でもはっきりと思い出せます。妊娠後期の通勤で少し心細かった私の心を、見知らぬ中学生たちの温かさがそっと支えてくれた、忘れられない朝の出来事です。

【体験者:40代、筆者、回答時期:2026年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:M.Noda
家族との何気ない日々や子育ての経験が「誰かの力になれば」とライター活動をスタート。事務職で培った「正確さ」と、主婦・母としての「リアルな視点」を武器に、家族や義実家、人間関係の悩みに向き合う。自身の体験をベースにした共感度の高いエピソードを大切に、読者の心にそっと寄り添うコラムを執筆中。