波風を立てたくなくて、つい言いたいことを飲み込んでしまうことがあるのが大人というもの。でも、小さな違和感をやり過ごすことが当たり前になると、いつの間にか自分の心がすり減ってしまうかもしれません。今回は、筆者の友人の体験談をお届けします。

小さな一言だけど

「あの、失礼ですが、私が先に並んでいます」
気づけば、そんな言葉が口から出ていました。

店員さんの手が止まり、一瞬の静寂が訪れます。
すると背後から「私もです。並んでます」と別の女性が続いてくれたのです。

その瞬間、空気がふわりと味方になった気がしました。
店員さんは慌てて「申し訳ありません、順番にお伺いします」と言い、割り込んだ女性は気まずそうに最後尾へ。

私の小さな勇気が、その場を動かしたのでした。

守りたかったもの

しばらく心臓はドキドキしていましたが、不思議と清々しい気分でした。
あのまま黙っていたら、きっと家に帰ってもモヤモヤしていたと思います。

大きなことをしたわけではありません。
ただ、自分の順番を伝えただけ。

それでも、その日の帰り道は少しだけ足取りが軽く感じました。

【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2026年2月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。