突然のトラブルで家の中に閉じ込められた筆者。頼れるのは3歳の息子だけ。小さな手が差し出した“あるもの”が、筆者を救ってくれました。息子が大人になった今でも思い出すと、ヒヤリとする体験談です。
「◯くん、お母さんのカバン持ってきてくれる?」
「はーい!」
「お財布の中から丸いお金をひとつ出して」
息子は言われた通り、素直に動いてくれました。
トイレットペーパーをドアの下の隙間から、ひらひらと出して
「今度は◯くんの番だよー。丸いお金、ここに入れてー」と言うと、「はーい」と、10円玉を差し込んでくれました。
受け取った瞬間、嬉しさと安堵で、手が震えました。
ホッとして涙が
ネジに当てて、ぐいっと回す。
━━カチッ。
ようやく扉が開きました。
一気に全身の力が抜け、思わず息子を抱きしめて涙がこぼれました。
扉の前には、小銭が散乱しています。
一生懸命、お財布をひっくり返して探してくれた息子の姿が目に浮かび、また涙。
小さなヒーロー誕生
その後すぐ業者さんに修理をお願いしました。
トイレには念のためドライバーを常備。鍵はかけないようにしました。
子どもって、ちゃんと説明すれば、ちゃんと応えてくれる。信じて任せれば、想像以上の力を発揮してくれるのです。
それ以来、息子を見る目が少し変わりました。
【体験者:50代・筆者 回答時期:2026年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒヤリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:大下ユウ
歯科衛生士として長年活躍後、一般事務、そして子育てを経て再び歯科衛生士に復帰。その後、自身の経験を活かし、対人関係の仕事とは真逆の在宅ワークであるWebライターに挑戦。現在は、歯科・医療関係、占い、子育て、料理といった幅広いジャンルで、自身の経験や家族・友人へのヒアリングを通して、読者の心に響く記事を執筆中。