これは、知人のA子さんに聞いたお話です。
テーマパークを愛するあまり、勝手にお客さまを誘導し始める客。スタッフに注意されてすっかり落ち込んでしまった彼でしたが、ある提案をきっかけに見違えるように変わって! 心温まるテーマパークでのエピソードをご紹介します。

愛が重すぎるゆえの空回り! スタッフ気取りの常連客

A子さんが働く某テーマパークには、パークを愛してやまないB男さんという常連客がいました。彼の情熱は本物なのですが、その愛情はある日、少し困った方向へと暴走を始めてしまったのです。

B男さんはアトラクションを楽しむわけでもなく、まるでスタッフのように振る舞い、勝手に他のお客さまの案内を始めました。ついには高い場所に登り、「ここでは立ち止まらないでください!」などと大声で人員整理をする始末。
「えっ、あの人スタッフさん? でも私服だよね……?」
夢の世界を楽しみに来たまわりのお客さまも困惑顔で、彼の「良かれと思って」の行動は、現場を混乱させる大きな火種となっていました。

運営側からの切実な願い

これを見かねた先輩スタッフたちは、B男さんをバックヤードへ案内し、真剣に話をすることにしました。
「B男さん、マニュアルに基づかないご案内は、逆に多くのお客さまの迷惑になってしまうんです。それに何より、高い所に登るような危険な真似をして、B男さんご自身に何かあったら、私たちは一番悲しいんですよ」

悪気はなかったB男さんは、ショックで言葉を失いました。自分の「正義」が否定されたように感じたのか、その日はひどく肩を落として帰宅。数日後、再び来園したB男さんでしたが、遠くから寂しそうにショーを見つめるだけで、以前のような活気はすっかり失われていたのです。