上司が改心したきっかけ
ある日、大口の取引先との重要な打ち合わせが予定されていました。必要な資料はS男が管理しているはずでしたが、直前になって見当たらなくなったのです。机の上や引き出しの中を探しても見つからず、S男の顔色はみるみる青ざめていきました。
「資料がない……。昨日、確かにここに置いたはずなのに!」
引き出しをひっくり返し、書類の山を崩して必死に探すS男さん。ようやく見つかったのは、なんと空のお菓子の袋に紛れ、机の奥深くに押し込まれた状態の資料でした。
しかも、その端にはベッタリとお菓子のカスが……。
「……これ、このまま先方にお渡しするんですか?」
冷たく凍りついた空気の中、A子さんは超特急で予備の資料を差し替え、なんとか事なきを得ました。もし気づかずに渡していたら、会社の信用は一瞬で失墜していたでしょう。この一件で、S男さんは自身の管理不足がどれほど恐ろしい事態を招きかねないかを痛感したようです。
それからの彼は、明らかに態度を改めました。机の整理を始め、業務の進捗を共有するようになり、急な仕事の依頼も減りました。A子はようやく安心して仕事に向き合えるようになったのです。
「人は、言葉で言われるより、手痛い失敗を経験して初めて変わることもあるんだな」
人は失敗を通して変わることもあります。言葉にしなくても、現実が教えてくれる場合もあるのだと感じた出来事でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Miwa.S
事務員としてのキャリアを積みながら、ライター活動をスタート。持ち前の聞き上手を活かし、職場の同僚や友人などから、嫁姑・ママ友トラブルなどのリアルなエピソードを多数収集し、その声を中心にコラムを執筆。 新たなスキルを身につけ、読者に共感と気づきを届けたいという思いで、日々精力的に情報を発信している。栄養士の資格を活かして、食に関する記事を執筆することも。