筆者叔母から聞いた話です。「A子が決めたことなら」と、親友の離婚に口を挟まなかったのですが、数年後、「本当は誰かに止めてほしかった」という言葉を聞いて、後悔しました。「あなたの人生だから」は、時に優しさではなく逃げになる——大切な人の岐路に、どう寄り添うべきかを考えさせられました。

数年後、A子が打ち明けた本音

しばらくは「すっきりした!」と明るい連絡が来ていました。
でも2〜3年が経った頃、久しぶりに会ったA子が、珍しくかなりお酒を飲んだ後、ぽつりと言いました。

「あの時、誰かに止めてほしかったのかもしれない」
「え? でもA子、あんなにはっきり決めてたじゃない」
「自分でもどうしたいかわからないまま、決意した風に話しちゃったのかなって」

「あなたの人生だから」は、時に優しさではなく、逃げになる言葉。
その言葉が、胸に深く刺さった瞬間でした。

「口を出さない」と「寄り添う」は、まったく別のこと

あれから私は、大切な人が岐路に立った時、むやみに「あなたが決めたことを支持するよ」とは言わないようにしました。

まず、聞く。
「決意の顔」の裏に何があるのかを、時間をかけて。
そして思ったことを、正直に伝える。
うっとうしいと思われても、それが本当の友達の役割だと、今は信じています。

「口を出さないこと」と「寄り添うこと」は、まったく別のこと。
あの春の夜、私が飲み込んだ言葉は、友情ではなく臆病だったのかもしれません。

【体験者:30代・筆者、回答時期:2026年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:K.Matsubara
15年間、保育士として200組以上の親子と向き合ってきた経験を持つ専業主婦ライター。日々の連絡帳やお便りを通して培った、情景が浮かぶ文章を得意としている。
子育てや保育の現場で見てきたリアルな声、そして自身や友人知人の経験をもとに、同じように悩んだり感じたりする人々に寄り添う記事を執筆中。ママ友との関係や日々の暮らしに関するテーマも得意。読者に共感と小さなヒントを届けられるよう、心を込めて言葉を紡いでいる。