筆者叔母から聞いた話です。「A子が決めたことなら」と、親友の離婚に口を挟まなかったのですが、数年後、「本当は誰かに止めてほしかった」という言葉を聞いて、後悔しました。「あなたの人生だから」は、時に優しさではなく逃げになる——大切な人の岐路に、どう寄り添うべきかを考えさせられました。

親友が「離婚する」と打ち明けてきた

親友のA子から「離婚しようと思う」と打ち明けられたのは、私たちがちょうど40歳になった春のことでした。

結婚して10年。A子の夫に暴力も浮気もありません。ただ「何もない」と彼女は言いました。

会話もない、笑いもない、将来の話もない。
冷蔵庫の中身を確認するような、事務的な毎日が続いていると。

そう話すA子の顔は、どこか晴れやかでした。ずっと考えてきた末の、決意の表情に感じたのです。

「あなたが決めたことなら」と、口を閉じた

私はあの時、「いい友人」でいようとしていました。
彼女の選択を尊重して、押しつけがましくならないように。

「そっか。A子が決めたことなら」

「本当にもう戻れない?」
「最後にもう一度、話し合ってみたら?」

そういう言葉を、すべて飲み込みました。
「余計なお世話」になるのが怖くて。
正直に言えば、面倒なことに巻き込まれたくない気持ちも、少しあったかもしれません。

A子は半年後、離婚しました。