理想の家づくりに胸を膨らませていましたが、現実はそう甘くありませんでした。
契約前に「この辺の家は全部俺が建てた」と豪語する営業マンに出会い、まさかの展開に。
「え、そんなことある?」とツッコミたくなるトンデモないエピソードを紹介します。
違和感が確信に変わった瞬間
私たちは「最低でも相手の家との距離は1メートルは空けたい」とはっきり伝えていました。ところが、いつの間にか50センチのプランで話が進んでいたのです。
理由を尋ねると、こう言われました。
「お隣はよく知っているので大丈夫です」
さらに後日、「視線が気になるとのことなので、窓は全て曇りガラスにしましょう」と提案されました。意味がわからず事情を聞くと隣の家からの要望だと。これは、私たちの家です。
気づけば、私たちの要望よりも“近隣との関係性”や“近隣の要望”が次々と優先され、仕様が少しずつ変わっていく状況になっていました。
そして追い打ちをかけるように、連絡もなく打ち合わせに大幅に遅刻されたことがありました。
理由は、「近所の方と話し込んでいて」という一言。
その瞬間、私の中で何かが静かに固まりました。
この人は、家を一緒につくるパートナーではない。そう感じたのです。
家は一生に一度の大きな買い物です。信頼できない相手に任せることはできません。
その日のうちに私は会社へ連絡し、これまでの経緯を整理して伝えました。そして最後にこう告げました。
「このままの体制であれば、契約は見直します」
数日後、それまで強気だった営業担当は、別人のように神妙な様子で現れました。しかし、私たちの気持ちはすでに決まっていました。
担当変更で取り戻した“自分たちの家”
最終的に担当は変更となり、新たな営業の方と一から打ち合わせをやり直すことになりました。
新しい担当者は、最初にこう言いました。
「どんな暮らしをしたいか、改めて教えていただけますか」
その一言で、ようやく家づくりが“自分たちのもの”に戻った気がしました。
無事に家は完成し、今では快適に暮らしています。
後日、かつての営業担当は別のエリアに異動になったと風の噂で聞きました。
「この辺の家は、ほとんど自分が担当した」と豪語していた場所を離れることになったようです。
家づくりで本当に大切なのは、実績や肩書きではありません。
施主の声に耳を傾ける姿勢。それこそが、何よりの信頼につながるのだと、私は身をもって学びました。
【体験者:30代・筆者、回答時期:2026年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Anne.R
看護師として9年間、多くの人生に寄り添う中で「一人ひとりの物語を丁寧に伝えたい」とライターの道へ。自身の家づくりやご近所トラブルの実体験に加え、現在は周囲へのインタビューを通じ、人間関係やキャリアなど女性の日常に寄り添った情報を発信している。