親の介護問題は、誰にでも起こる可能性があります。筆者の友人・M奈は、離れて暮らす母親の「大丈夫」という言葉で安心していましたが、ある日変わり果てた母親の姿に愕然としたそうです。M奈の切ないエピソードをご紹介しましょう。
異変
私は中学生時代に父親を亡くし、それからは母が一人で私と妹を育ててくれました。
私も妹も結婚と同時に家を出てしまいましたが、母とは良好な関係でした。
しかし、私は最近の母の言動にどこか引っかかるものを覚えていました。
私は妹と相談し、様子を見に行くことに。
実家に入ると、玄関には整理されないままの物が積み重なり、こもったような臭いがしました。
母は特に整理整頓にはうるさかったのに、昔の面影は全くなかったのです。
対面
家の中に入ると、冬にもかかわらず暖房が効いていない部屋でボーッとテレビの画面を見ていた母がいました。
「お母さん?」と声をかけると取り繕ったように「あら? どうしたの?」と急に立ち上がって身なりを整え始めたのですが、部屋の中は雑然としていて、長い間掃除をしていないことがわかる状態。
妹が「お母さん、どうしたの? 具合でも悪いの?」と聞くと「大丈夫よ」といつものように答えました。
ここ数年は私も妹も仕事や育児が忙しく、なかなか実家に帰ることができていませんでした。
電話では「大丈夫よ」と繰り返していた母。
しかし、いきなり電話をしてきて「ねぇ、カレーの人参ってどうやって切るんだっけ?」などと言い出していたので、この時すでに母からのSOSは発せられていたのだと気づかされました。
決断
とりあえずその日は妹と2人で家の中の掃除をしました。
冷蔵庫からは賞味期限切れの食品が山のように出てきて、洗濯機や風呂場は使われていないことが一目瞭然。
清潔を保つことが難しくなっていた母を、私たちは丁寧にお風呂に入れました。