目立ちたがりの姉
私には姉がいます。
姉は、常に一番に思われていなければ気が済まない人でした。
家族の集まりがある時、姉はいつも遅れて現れます。
そして、スッと目立つ場所に立ち、華やかに振る舞います。
一方、私は、いつもその前の準備。
料理の下ごしらえ、テーブルのセッティング、会場の掃除。
当時の私にとって、そんな裏方の仕事は「誰かがやらなければならないこと」でしたが、姉の中では「妹がやるべき当然のこと」だったようです。
そして、姉は全ての準備が終わった頃に颯爽と現れて、姉自身の活躍が目立ちそうな仕事をかっさらっていきます。
「わあ、お姉ちゃん、素敵なお料理ね!」
親戚たちが褒めると、姉は笑顔で答えます。
「ありがとう。私、頑張ったの!」
しかし、その料理の下ごしらえは、全て私がやっていました。
親や親戚たちは、姉を「頼もしい」「気立てが良い」と絶賛しました。
私は、いつも陰に隠れて、言葉を飲み込んでいました。
失敗の八つ当たり
そんな姉でもうまくいかない事が時々があります。
姉が、親戚の前で失敗した時や、期待されていた役割を全うできなかった時。
そういう時、姉はどうしても自分のプライドを保てなくなるようでした。
その矛先は、いつも身近な私に向けられました。
「顔立ちが悪い」「シミが酷い」などと、親戚に聞こえないような小声で心ない言葉を投げかけ、ストレスを解消するのです。
ある日、姉が親戚たちの前で料理を失敗しました。
「あれ? この味、ちょっと…...?」
そう言って親戚が、首を傾げました。
姉の顔が、一気に曇ります。
その後、姉は私のところに来て、小さな声で言うのです。
「ねえ、あんた、最近太ったんじゃない?」
「シミが酷いわね。ちゃんとケアしてる?」
姉は、私の顔を見ながら、嫌味を言い始めます。
私が悔しそうに黙っていると、さらに追い打ちをかけます。
「まあ、あなたは料理も苦手だし、色々足りないものね。仕方ないわよね」
そうやって、姉はいつも私をいじめてきました。
姉は自分がうまくいかない時、私を貶めることで自分を保っていたのです。
遺産への執着
それから数年後、私は結婚し出産しました。
子どもたちも健やかに育ち、穏やかな家庭を築きました。
一方、姉は孤独を深めていたのか、より自分の存在感を周囲に誇示するようになっていきました。
そのきっかけは、母方の伯母が亡くなった時でした。
伯母には子どもがおらず、遺産が残されました。