実母から見た異変
その数日後に、私の実家の両親が長男を見ようと、私の滞在している義実家にやってきました。
「まあ、可愛い!」と喜ぶ母でしたが、すぐに私の顔色の悪さに気づきました。
「どうしたの? 何かあったの?」
義母が席を外した隙に、私は夫がほとんど来ないこと、育児方針を否定されること、そして食事への不安などを一気に打ち明けました。
話を聞いた母の顔は、見る見るうちに険しくなっていきました。
「今すぐ荷物をまとめなさい。家に帰りましょう」
母はそう言うと、義母を呼び出しました。
実母の救出
「お義母さん、産後の娘にカビの生えたような古いケーキを食べさせる理由がどこにあるんですか?」
「い、いえ、仏壇に上がっていたケーキだから、もったいないかなと思って」
「もったいないから、古いケーキを娘に食べさせようとしたんですか?」
義母は「もったいないから」としどろもどろに弁明しましたが、母は怯みません。
母乳育児の妨害、夫の不在、そして何より、この「古いケーキ」に象徴される無神経な扱い。
「荷物をまとめて、今すぐ帰るわよ。こんなところに、あなたと長男くんを置いておけないでしょう?」
母は即座に私と長男を連れ出し、その日のうちに実家へと救い出してくれました。母のサポートを受けながら心身ともにリラックスして過ごすと、驚くほどスムーズに母乳が出るようになり、体調も回復していきました。
一方、夫には母から厳しい叱責があり、夫は、自分がいかに私を孤独にさせていたかを痛感したようです。
今ではもう、嫌なことは嫌だとはっきり言えます。あの日、実母が古いケーキごと私の絶望を捨て去ってくれたからこそ、私は母親としての強さを取り戻すことができたのです。
【体験者:50代・筆者、回答時期:2026年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:藍沢佑菜
管理栄養士の資格を持つ、2人の自閉症男子のママ。自身の育児環境の変化をきっかけに、ライター活動をスタート。食と健康を軸に、ライフスタイル全般のコラムを得意とし、実体験に基づいたリアルな記事を執筆中。専門的な情報を「わかりやすく、すぐに日常に取り入れられる形」で伝えることが信条。読者の「知りたい」に寄り添い、暮らしを整えるヒントを発信しつづけている。